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2015 年度 実施状況報告書

選択的幼弱血管阻害分子BRAKの臨床応用に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 15K20567
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

生駒 丈晴  神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10638290)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードCXCL14 / サイトカイン / 血管新生抑制
研究実績の概要

これまで我々はサイトカインCXCL14が癌抑制遺伝子であることを頭頸部扁平上皮癌を用いて初めて解明した。現在当研究室ではCXCL14の抗腫瘍効果メカニズムを解明することに重きを置き研究を進めている。CXCL14の抗腫瘍効果メカニズムとしては血管新生阻害、免疫系細胞の活性化への関与が報告されている。今回我々は特に血管新生阻害に注目し検討を行った。
癌における血管新生阻害を介した抗腫瘍効果というと、すべての血管新生を阻害することが理想だと思われやすいが、実際は異なる。成熟した血管は温存し、幼弱な血管のみを阻害することが理想的とされている。癌の血管新生メカニズムと幼弱な血管新生の問題点は、癌細胞が血管内皮増殖因子を過剰に放出することで、癌組織周囲に存在する血管内皮細胞のみが異常増殖した結果、相対的に血管周皮細胞が少なくなる。一般的にこれを幼弱な新生血管といい、血管透過性が亢進することで細胞間圧が高まり栄養分である酸素や糖は癌組織に到達するが、抗癌剤は到達しにくい状態となる。CXCL14トランスジェニックマウスを作製し検討したところ、我々がターゲットとするCXCL14は成熟した血管は温存しつつ、血管内皮細胞の増殖を明らかに抑制する結果を得た。またCXCL14はVEGF、IL-8、bFGF、IP-10など癌の血管新生に重要な役割を果たす分子に結合することで血管新生抑制作用を示す可能性が報告されている。
今回の研究では血管内皮細胞と血管周皮細胞を細胞を主なターゲットとし、CXCL14の作用について解析することで腫瘍組織における血管新生のメカニズムや抗がん剤投与における血管の正常化の重要性について新たな展開を見出せると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

血管内皮細胞と血管周皮細胞の培養条件検討に時間を要している。その後の実験手技については確立しており、計画通り実験を進められると思われる。

今後の研究の推進方策

血管内皮細胞と血管周皮細胞のマイクロアレイデータを解析後、in vitroの実験を進める。また実験が遅れる場合はin vivoでの研究を先に進める。

次年度使用額が生じた理由

血管内皮細胞と血管周皮細胞の培養条件検討に時間を要し、実験が進まなかったため。

次年度使用額の使用計画

マイクロアレイ解析やin vivoでの実験に研究費を使用する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Expression of the chemokine CXCL14 is a predictive biomarker for Cetuximab-dependent tumor supression.2015

    • 著者名/発表者名
      生駒 丈晴
    • 学会等名
      歯科基礎医学会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2015-09-11 – 2015-09-13

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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