研究課題
我々はこれまでに、サイトカインBRAK/CXCL14が癌抑制遺伝子であることを頭頸部扁平上皮癌を用いて解明した(Biochem Biophys Res Commun. 348. 406-412 (2006))。現在、当研究室では複数のチームで研究を進めている。我々はBRAK/CXCL14の抗腫瘍効果メカニズムに対して解明することに重きを置き研究を進めている。BRAK/CXCL14の抗腫瘍効果メカニズム解明のため、BRAK/CXCL14トランスジェニックマウスを作製し、検討したところ明らかに腫瘍内における幼弱血管の新生を阻害する所見を得た。 (Transgenic Res. 19. 1109-1117 (2010))。癌における血管新生阻害を介した抗腫瘍効果と聞くと、すべての血管新生を阻害することが理想的を誤解を招きやすいが、実のところ成熟した血管は温存し、幼弱な血管のみ阻害することが理想的とされている。我々が着目するBRAK/CXCL14は前述したように、幼弱な血管を選択的に阻害する作用があり、今後の癌における血管新生において重要なタンパク質として考えられる。本研究ではBRAK/CXCL14がなぜ幼弱な血管を選択的に阻害するかを解明することを目的とした。BRAK/CXCL14ノックアウトHSC-3細胞を作製し、①HSC-3細胞、②BRAK/CXCL14ノックアウトHSC-3細胞、③BRAK/CXCL14ノックアウトHSC-3細胞に再度BRAK/CXCL14を発現させた細胞を用意し、BRAK/CXCL14の有無が細胞培養時にどのように影響を与えるか、マイクロアレイ解析を行い、網羅的な解析を行った。マイクロアレイでは癌に関連するもの、糖代謝に関連するもの、発生や分化に関連するものなどいくつかのカテゴリーに分類された。
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Oncogenesis
巻: 5 ページ: e240
10.1038