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2015 年度 実施状況報告書

口腔癌発生に関わる腫瘍免疫学的解明と早期診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15K20570
研究機関鶴見大学

研究代表者

熊谷 賢一  鶴見大学, 歯学部, 助教 (10518129)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード口腔癌 / 前癌病変 / サイトケラチン / TCR
研究実績の概要

本研究では、口腔粘膜疾患の発癌過程における獲得免疫機構の挙動を解析することで、口腔がんの早期発見・予後予測に関する新規診断法の確立を目指す。その研究手法として、異型上皮内の腫瘍性上皮を上皮関連遺伝子発現解析から探索し、またそれに相応して発生するTリンパ球による免疫応答を網羅的 T 細胞受容体(TCR)解析を用いて行うことで、初期がん発生時の腫瘍抗原特異的免疫応答の有無を検索する。本研究で解明される口腔がん発症に関わる TCR 遺伝子情報は、腫瘍性異型上皮に対する腫瘍抗原特異的免疫応答の見地からの口腔がん発生の早期検出を可能とし、さらに予後予測を行うという新たなテーラーメード型遺伝子診断法の礎となることが期待される。
初年度は口腔前癌病変のうち癌化した数症例を抽出し、患者背景調査を行った。術前に対象患者の年齢・性別・既往歴・現病歴・現症(全身,局所)についての詳細な調査を行うと同時に患者に本研究の意義を説明し、研究に関する遺伝子発現解析ならびに早期癌の検出のための臨床情報取得についての同意を得た。同意の得られた患者から採取した検体組織の一部を用いて、解析を開始した。具体的には免疫組織学的な側面からの予備検討を開始し、口腔粘膜疾患・口腔がん生検あるいは切除時の切除材料を用いてリンパ球浸潤度やモノクローナル抗体(サイトケラチン 13・17・19)を用いて腫瘍性上皮の免疫組織学的検索を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

口腔前癌病変のうち癌化した数症例を抽出し、継時的な変化を免疫組織学的予備検討により行うことが出来た。具体的には、モノクローナル抗体(サイトケラチン 13・17・19)を用いて腫瘍性上皮の免疫組織学的検索を行うことで、癌化メカニズムの一端を観察することが可能であることが判明した。

今後の研究の推進方策

次年度では、口腔粘膜疾患・口腔がん生検あるいは切除時の切除材料を用いて浸潤リンパ球を解析を行う。研究手法としてはTCR(T cell receptor) レパトア解析を行う。
前年度までに得られたデータと予後に関する臨床データと比較することで、全各個人の腫瘍性異型上皮に対する腫瘍抗原特異的免疫応答を臨床免疫学的な見地から解析し、TCR 遺伝子ライ ブラリからの予後予測の可能性を探る。

次年度使用額が生じた理由

初年度では検体採取に時間を要したため、臨床情報収集が主であった。よって免疫組織化学的染色および定量PCR法による病態解析に供する消耗品が少なかったことが要因と考えられる。

次年度使用額の使用計画

次年度では免疫組織化学的染色および定量PCR法による病態解析に供する消耗品に使用する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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