研究課題/領域番号 |
15K20572
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
金山 圭一 朝日大学, 歯学部, 講師 (20454275)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ビスホスホネート関連骨壊死 / 口腔粘膜 / 免疫細胞 / 破骨細胞 |
研究実績の概要 |
ビスホスホネート関連骨壊死(Medication-related osteonecrosis of the jaw ; MRONJ)は、ビスホスホネート服用患者で見られる重篤な有害事象である。MRONJの発症機序を明らかにするための検討が重ねられ、免疫細胞が多様なMRONJ症状の類型に関与していることが示唆されている。本課題の目的は、多様な症状を見せるMRONJの表現型が、どの免疫細胞の働きによるものかONJマウスモデルを使って明らかにすることである。本年度はRag2-/-マウスで、MRONJの病態検索を行った。1) Rag2-/-(コントロール群; 生理食塩水)ではWild Type -C57Bl/6と比べ、上皮の閉鎖・抜歯窩の骨形成が良好であった。2) Rag2-/-(BP群; Zometa)ではWild Typeと比べ、Open Woundが小さく骨壊死の範囲も狭かった。3) TRAP染色で破骨細胞数を比較、Rag2-/-(BP群)の口蓋骨表面にはTRAP陽性細胞が出現しないことを明らかにした。 Rag2-/-マウスではONJの病態が静止傾向を示した。瘻孔型のONJ病態に関わるγδT細胞の役割を明確にするためRga2-/-マウスにγδT細胞を移入した群を追加した。Rga2-/-+γδT細胞群の検体(n=5)は採取済みである。マイクロCT撮影は既に終了し、組織学的検索のため現在脱灰中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の実施予定のRag2-/-マウスでのONJ病態の検討は、計画通り進んでいる。 このモデルでの詳細なデータの分析は現在進行中である。 本年度はRag2-/-マウスでのデータが得られたことが最大の研究進捗であるため「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
Rag2-/-マウスでの組織形態学的検索、免疫染色、マイクロCT解析、回収した歯肉での炎症性サイトカインの発現をマイクロアレイで明らかにする。以上からT細胞、B細胞の存在がない環境でのONJ病態をWild Typeと比較解析する。 現在進行中のRga2-/-マウスにγδT細胞を移入した群も同様に解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
染色に必要な試薬、抗体やマイクロアレイプレートが使用可能なものがストックされていたため、購入の必要がなかった。そのため物品費が予定よりも低く抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度は動物実験が主だったため、解析するサンプル数が少なく試薬・抗体のための物品費が抑えられた。今年度は採取したサンプル数も増えてきているため、今回生じた次年度使用額を組織形態学的、免疫組織化学的検索検索に使用する。
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