本研究はカテキンを利用した生活歯髄切断材料を開発することを目的として行った。SDラットの上顎臼歯に対して生活歯髄切断を行った。全身麻酔下で歯冠部歯髄を切断後、酸化亜鉛ユージノールセメントに各濃度のエピガロカテキンガラートを添加し、切断面を覆った。カテキン濃度0.1%ではコントロール(カテキン濃度0%)と比較して炎症性細胞浸潤の変化は軽度であった。カテキン濃度1.0%と5.0%では炎症性細胞浸潤は減少していた。続いてStreptococcus mutansに対する抗菌作用について検討した。カテキンの濃度が0.01%の場合、培養24時間後ならびに48時間後の細菌量が約半分程度抑制されていた。
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