培養ヒト歯根膜細胞に伸展力を負荷し、腱・靭帯の分化および成熟に必須な転写因子Scleraxis (Scx)の発現とTGF-βシグナリングの関係を解析した。伸展力を負荷して3時間後にScxの遺伝子発現が有意に上昇した。同時にp-Smad3の活性化亢進も認めた。TGF-beta type I receptorの阻害薬であるSB-431542もしくはSmad3のリン酸化を阻害するSIS3により、p-Smad3の活性化は濃度依存的に抑制された 。さらにScxの発現も抑制された。従って歯根膜でのScx発現調節には伸展力によるTGF-β/Smadシグナリングの活性化が関与していることが明らかとなった。
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