研究課題/領域番号 |
15K20578
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金原 正敬 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00637960)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨 / メカニカルストレス応答 / アドヘレンスジャンクション |
研究実績の概要 |
骨細胞および骨芽細胞は骨へのメカニカルストレスを感知するメカノセンサーとして機能すると考えられている。私達のグループは骨のメカニカルストレス感知機構にアクチン線維を介する細胞接着が重要に関わることを報告してきたが、その詳細は未だ不明である。アクチン線維を介する細胞接着装置の一つに Adherens junction (AJ) が知られるが、近年、上皮細胞や線維芽細胞において、AJ に局在するビンキュリンが張力依存的に濃縮することが報告され、AJ のメカノセンサーとしての機能が注目されてきている。本研究では、骨細胞および骨芽細胞による骨のメカニカルストレス応答機構における AJ の関与について、ビンキュリンの動態に焦点を当て、原子間力顕微鏡(AFM)を応用した新規細胞刺激系を用いて詳細に解析する。本年度は、プライマリー骨細胞および骨芽細胞の単離、骨細胞・骨芽細胞におけるビンキュリンおよび細胞骨格分子の発現・分布の解析、AFM 細胞刺激システムを用いた骨細胞および骨芽細胞のメカニカルストレス応答性の解析を検討した。その結果、マウス頭蓋骨よりマウスプライマリー骨細胞・骨芽細胞を単離する手法を確立し、単離された骨細胞および骨芽細胞において細胞辺縁領域でのビンキュリンの強い局所的発現を観察するとともに、ビンキュリンとアクチンとの共局在を認めた。また、AFM 細胞刺激システムおよび Ca イメージング実験系を整え、AFM 細胞刺激システムにより負荷された骨細胞および骨芽細胞において一過性の Ca 応答反応が誘導されうることを観察した。現在、これらの応答性に関して、データ収集および解析を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ビンキュリンの動態解析についても本年度行う予定であったが、AFM 細胞刺激システムおよび Ca イメージング実験系の調整に予想以上の時間を要し、本年度実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究実績を踏まえ、実施されていない課題について、研究計画通り遂行し、骨細胞および骨芽細胞による骨のメカニカルストレス応答機構における AJ の関与について解析を進める。
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