研究課題
骨細胞および骨芽細胞は骨へのメカニカルストレスを感知するメカノセンサーとして機能すると考えられている。私達のグループは骨のメカニカルストレス感知機構にアクチン線維を介する細胞接着が重要に関わることを報告してきたが、その詳細は未だ不明である。アクチン線維を介する細胞接着装置の一つに Adherens junction (AJ) が知られるが、近年、上皮細胞や線維芽細胞において、AJ に局在するビンキュリンが張力依存的に濃縮することが報告され、AJ のメカノセンサーとしての機能が注目されてきている。本研究では、骨細胞および骨芽細胞による骨のメカニカルストレス応答機構における AJ の関与について詳細に解析する。本年度は、プライマリー骨細胞および骨芽細胞における細胞間接着調整(細胞密度調整)に伴うビンキュリン発現およびメカニカルストレス応答性の変化、当該変化に対する AJ 形成阻害の効果について検討した。その結果、骨細胞、骨芽細胞いずれにおいても、中密度および高密度条件ではビンキュリンの発現強度は同程度であったが、低密度条件ではビンキュリンの発現強度の低下が認められた。また、メカニカルストレス負荷実験を行い、Ca 応答率を比較したところ、中密度および高密度条件では Ca 応答率は同程度であった一方、低密度条件においては低い Ca 応答率が観察された。加えて、N-cadherin ブロッキング抗体を用いて AJ 形成阻害下でのメカニカルストレス負荷実験を行ったところ、中密度および高密度条件において Ca 応答率の低下が認められた。
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Clin Exp Allergy
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10.1111/cea.12926