申請者らは、これまでIGF-I添加による再生歯の大きさの増大と咬頭数の増加を明らかにしたが、再生歯形態におけるIGF-Iの作用メカニズムは未だ不明である。そこで本研究では、IGF-Iが再生歯形態に及ぼす影響の基盤となる生物学的メカニズムの解析を行った。歯胚上皮細胞を用いてマイクロアレイ解析を行ったところ、IGF-I添加群において、歯の発生過程において特異的に発現する因子の発現量の増加を認めた。さらに、IGF-I添加群において、歯胚上皮細胞の増殖および分化の亢進、エナメル結節形成の亢進が認められた。以上により、IGF-Iが歯の形態形成過程における生物学的メカニズムに関与することが示唆された。
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