今後の研究の推進方策 |
①不死化歯根膜クローン細胞の賦活化 人為的にヒト・テロメラーゼ遺伝子(hTERT 遺伝子)を安定発現させた不死化歯根膜クローン細胞を、VEGF-A を添加した条件で培養し、LIPUS を照射した際のクローン細胞におけるVEGFR-2 の発現量の経時的変化と、細胞分化の過程について検討する。方法としては、蛍光抗体法による培養細胞におけるVEGFR-2 の免疫染色と、リアルタイムPCR によるmRNA の発現量の定量化や、イムノブロッディング法によるタンパク質の発現量の評価を行うことを予定している。 ②咬合刺激低下歯に対する効率的な矯正学的移動システムの構築 1)咬合刺激低下歯に対するLIPUS の使用と2) 咬合刺激低下歯に軽度な虚血負荷を繰り返し与えた後矯正力を用いて移動を行う方法を行う。1)は前述の方法と同様に、ラットの臼歯の咬合刺激を低下させ2week 経過後、LIPUS を照射しながら矯正学的歯の移動を行い、移動開始後1, 2, 3 および7 日後における移動量、VEGF, VEGFR-1, VEGFR-2 およびCD31 等の各種の血管新生因子および血管標識因子、フリーラジカル、炎症性サイトカイン、TUNEL 染色などの免疫組織学的解析、メッセージレベルで観察を行う。2)は¥前述同様に、ラットの臼歯の咬合刺激を低下させ2 週間経過後、咬合刺激低下に用いた装置の除去を行い咬合刺激を再開させた群、咬合刺激を低下させたまま、2gf/10gf の矯正力を間欠的に与えた群を作成し、その後臼歯の矯正学的な近心移動を行う。移動開始後1, 2, 3, 7 日後に1)同様、免疫組織学的解析、リアルタイムPCRによるメッセージレベルでの発現量の定量化や、イムノブロッディング法によるタンパク質レベルでの発現量の評価を予定している。
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