MSX1は歯髄幹細胞特異的に象牙芽細胞/骨芽細胞分化を制御している。MSX1ノックダウンにより発現が影響される遺伝子をDNAマイクロアレイにより網羅的に解析した。骨分化誘導条件下において、MSX1ノックダウンはコレステロール合成に関連する多くの遺伝子の発現を増加させた。以前よりコレステロール合成系の阻害が象牙芽細胞/骨芽細胞の分化を促進することが知られていたが、骨関連転写因子との関連は不明であった。本研究では、MSX1がコレステロール合成系全体を転写レベルで抑制することを示し、象牙芽細胞/骨芽細胞分化誘導の制御には、コレステロール代謝が関わっていることが示唆された。
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