感染性心内膜炎は心内膜に疣贅を形成する感染性疾患で、原因菌は主に口腔由来のビリダンスレンサ球菌と指摘されている。本研究では心内膜炎病巣部より分離されたStreptococcus oralis NS308株を用いて、非病原株とのゲノム比較を行い、病原性への関与について検討した。まず次世代シークエンサーを用いて解析したところ、完全長のゲノム配列を得ることができた。これを元に非病原株のS. oralis Uo5株とNS308株を比較すると、NS308株に特異的な遺伝子は340個あり、そのうち69個は外来遺伝子であった。これらは本菌の病原性獲得と関わりがあると思われ、さらなる検討が必要と思われる。
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