本研究では、A型ボツリヌス毒素を咬筋もしくは側頭筋に注入した咀嚼機能低下モデルを作製した。その後、筋肉増強作用を有する蛋白同化ステロイドを投与することで、低下した状態にある筋機能を賦活化し、成長とともに顎口腔機能および顎顔面形態にどのような効果をもたらすか評価した。 咀嚼機能低下モデルでは、顕著な筋活動の低下が認められ、下顎骨の劣成長が認められた。また、機能面では顎運動パタンが変化し、咀嚼効率が減少したことが示唆された。ステロイドを投与し早期賦活化を促した場合、下顎骨成長は回復傾向にあったが、下顎頭形態の十分な回復は認められなかった。
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