研究課題
近年、歯周炎は、循環器疾患のリスクとなる可能性があることや、菌血症の原因となることが報告されてきた。我々は以前、動物モデルを用いた基礎実験から、特定の歯周病原細菌感染が圧負荷心肥大、心臓の間質の線維化、血管周囲組織の線維化を促進した結果、心機能を低下させたことおよび、炎症性マーカーの発現を亢進させることを明らかにした。しかしながら、さらなるメカニズムや、他の歯周病原細菌感染と心肥大の関連については、明らかとなっていない。以上のことから、本研究の目的は、実験的モデルマウスを用い、歯周病原細菌が心肥大に与える影響とその機序を検討することとした。結果として、実験的モデルマウスにおいて、他の特定の歯周病原細菌感染によって、心筋細胞の肥大を助長してしまうこと、および、その結果として、心臓肥大を悪化させてしまうことが明らかとなった。また、心臓肥大の状態は他の特定の歯周病原細菌感染によって助長されてしまうが、特定の細胞表面に存在するタンパク質受容体を介することによって、心臓の間質の線維化の抑制と、炎症性マーカーの発現の抑制が起こっていることをも、明らかとした。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件)
Hypertension research
巻: 40 ページ: 110, 116
10.1038/hr.2016.117
巻: 40 ページ: 35, 40
10.1038/hr.2016.114
巻: 40 ページ: 324, 328
10.1038/hr.2016.146