糖尿病患者の歯周病は重症化すると言われるが(糖尿病関連歯周炎),その病態機序は不明である。本研究の目的は糖尿病関連歯周炎の病態形成におけるカルプロテクチンの作用を調べることである。以下に本研究の成果を示す。 1.カルプロテクチンはTLR4-NFκB経路を介し歯肉線維芽細胞のIL-6産生を誘導した。2.高グルコースはTACEを活性化しTHP-1マクロファージのsIL-6R産生を誘導した。 即ち,歯周炎症によるIL-6作用が,高血糖により誘導されるsIL-6R産生の亢進によって増強されるという歯肉線維芽細胞とマクロファージの“重複した炎症反応”が糖尿病関連歯周炎の重症化の一翼を担う可能性が示唆された。
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