IL-6は歯周病の炎症病態を増悪させるサイトカインである。本研究では,マウス微弱炎症モデルを作成した結果,血清中IL- 6濃度が上昇し,血清中カテプシンBとLの濃度が上昇することが明らかになった。臨床的検討では,歯肉炎患者群において,他群と比較した場合,血清中のカテプシンBの活性は高くなる傾向がみられた。 以上から,IL-6によって増悪した歯周炎症には,カテプシンBが関与しており,またカテプシンBは歯肉炎のような結合組織における炎症の段階において 最も関与していることが示唆された。将来,歯周病悪化を抑制制御し得る,また疾患の早期発見に寄与し得る可能性があると考えられる。
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