抜去歯根から採取した歯根膜組織は、象牙板上で歯根膜細胞の付着が認められた。移植歯にあたっては、アンキローシスを認められた。アンキローシスの発声には、移植歯の歯根に十分な量の歯根膜細胞が得られなかったことが考えられる。以前の報告で、9平方ミリメートル以上の歯根膜欠損があるとアンキローシスが生じると報告されており、今回の状況は、歯根膜組織の存在が十分に得られおらず、また、増殖が十分得られていなかったことが考えられる。今後、移植歯に対して、十分な量の歯根膜細胞の増殖播種と定着を促す有効な増殖因子の検索と使用を検討する。 また、凍結保存後の移植歯の機能的な使用に関しても今後検討を行っていく。
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