研究課題/領域番号 |
15K20636
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大城 暁子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60644036)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口臭 / 舌苔 / 細菌 |
研究実績の概要 |
口臭で悩んでいる人は多い。口臭の原因の一つに舌苔中の細菌が産生する揮発性硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタン、硫化ジメチル)が挙げられる。口臭の予防や治療では、舌苔除去はかかすことができない。舌苔とは舌背部にみられる白色もしくは黄色の付着、堆積物であり、脱落上皮、食渣、唾液などに加え、細菌も含まれる。しかし、舌苔中の細菌に関する研究は少ない。 本研究は、口腔内組織(舌苔、唾液など)のメタ16sRNA解析を行い、口腔内細菌叢と口臭との関連を明らかにすることを目的に行う。 昨年度に引き続き、東京医科歯科大学息さわやか外来受診の患者のうち、研究同意がとれた患者(男性192名、女性314名、平均年齢53.14歳±15.35歳)を対象に、口臭測定(ガスクロマトグラフィー、ブレストロン、口臭官能検査)を行った。舌苔中の細菌数の測定を細菌カウンター(パナソニックヘルスケア株式会社)を用いておこなった。舌清掃前後での細菌数の比較をおこなった。口臭官能検査を基準としたROC曲線分析もおこなった。この結果、舌苔中の細菌数は口臭と関連しており、舌清掃によって有意に減少することが明らかになった。これらの結果は第66回口腔衛生学会(2017年6月)にて発表予定である。 本年度は、口腔内組織(舌苔、唾液)の採取をおこなったうちの舌苔の40サンプルを用いて、メタ16sRNA解析を行っている。年齢階級、性別、口臭の有無などで、それぞれの舌苔の細菌叢の比較を現在行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口臭原因物質産生に関連する細菌叢の解析のためのサンプルの採取が遅れていた。息さわやか外来で同意をとれた患者より口腔内組織のサンプルを採取するため、同意を得るのが難しかったり、年齢や性別が偏っていたためである。
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今後の研究の推進方策 |
現在、息さわやか外来で採取した40サンプルのメタ16sRNA解析を行っている。解析が終わり次第、年齢階級、性別、口臭の有無を含まて、比較解析を行う予定である。その上で、口臭の原因物質産生に関連する細菌の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
口腔内組織サンプルの採取の同意を息さわやか患者から得るので、同意を得るのが難しかったので、当初の予定より、時間がかかったためである。委託解析に出す時期が遅れてしまった。現在、サンプルはすでに解析にだしている。
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次年度使用額の使用計画 |
現在、息さわやか外来患者より採取した口腔内組織サンプルを解析にだしており、その解析費が1,684,800円の予定である。解析終了後、データ納品時に当該の金額の支払いを行う予定となっている。また、結果により、追加の委託解析を行う可能性がある。
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