研究課題/領域番号 |
15K20645
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中山 歩 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (10398290)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地域医療 / へき地医療 / 地域包括ケアシステム |
研究実績の概要 |
本年度は「へき地における歯科医療活動の実態調査」に関する調査を行った。対象は、甑島列島(上甑島、中甑島、下甑島)、屋久島、種子島、奄美群島(奄美大島、加計呂麻島、喜界島、沖永良部島、与論島、徳之島)で歯科医療活動を実践している歯科医師とした。データ収集方法は、鹿児島県歯科医師会の協力をもとに、地域社会でどのような歯科医療活動、公衆衛生活動が行われているかをアンケート調査用紙により調査を行った。これに併せて、与論島については実際に現地の歯科医院を訪問し、インタビュー調査を行った。その結果、比較的大きな離島である奄美大島においては、医療機関まで遠距離、交通手段がなく定期的通院が困難な患者は54.5%であったが、他の離島においては78.6%も認められた。また、定期的な通院が困難な患者がいると回答した医療機関の87.5%が、治療上で特に考慮することがあると回答し、1回の診療時間を長くする、処方する薬剤の量、期間を考慮するなどが挙げられた。高度医療機関(専門機関)への紹介の必要性が生じたとしても島外に依頼せざるを得ない場合も多くあるなど、その連携などの点で都心部との差異が浮き彫りになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は調査対象であった三島列島、トカラ列島での調査が実施できなかった。また老人ホーム・介護施設などへの調査もやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は「へき地における住民の歯科医療に対するニーズ分析」を中心として調査を行う予定である。対象者は離島に在住する地域住民、行政機関職員とする。データ収集方法は、各島を管轄する行政機関、鹿児島県歯科医師会の協力のもと、各地域の対象者に同意を得て、歯科医療が必要な場合にどのようにしているか、どのような歯科医療を求めているかなどをアンケート調査用紙(選択式、自由記載)、または現地を実際に訪問し、インタビューにより調査を行い、量的、質的解析を行う。また、調査が遅れている事項に関しても並行して行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
鹿児島県歯科医師会と鹿児島大学が協力し実施している「無歯科医地区およびこれに準ずる地区の離島での歯科巡回診療」に同行し、一部の離島での調査を行う予定であったが、日程の関係上、同行不可であった。そのため、調査のための旅費として計上していた経費に繰り越しが生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、調査ができなかった離島についても調査を行う予定で、その旅費として使用する予定である。本研究については、鹿児島県歯科医師会にも了承を得ており問題は生じない予定である。
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