研究課題/領域番号 |
15K20651
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
加藤 雄一 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (70720803)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯科心身医学 / 慢性疼痛 / 非定型歯痛 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、歯科心身症患者の症状を「痛み」と「異常感」に分類し、各症状に対してどのような薬物療法が有効であるか、用量反応性に関する検討を行い、「痛み」と「異常感」を軸として、それぞれのスコアをドットし2次元マトリックス化グラフを作成し、どの領域範囲で、どの薬物を使うのか、その線引きを試みる。さらに、2次元マトリックス化グラフの軸に「心理特性」を加え、「痛み」と「異常感」に相関するかどうか、それぞれの症状と原因の解析を行うとともに、分布から大きく外れた症例に対して、他の因子が関与するかを解析することによって、歯科心身症に対するより効果的な診断法を開発し、最適な対応法を確立することである。 歯科心身症の患者は、薬物療法によって症状が改善することもあるが、その割合や年齢、性別、現病歴等の特徴は明らかになっていない。そこで、本研究では患者の様々な背景因子(年齢、性別、基礎疾患、既往歴、現病歴、病悩期間、職業、生活スタイル等)を調査し、薬物療法が奏効する因子と症状が増悪する因子の解析を行い、術前段階において薬物療法が効果的である患者群の分類を探索する。また、治療に難渋する歯科心身症患者に対して、治療が適切かどうかを判定し、精神疾患等の他の因子も考慮し、患者の対象診療科が歯科であるのか、他の診療科への紹介が必要かを再検討することで無用な長期療養を回避させる。これらの研究によって歯科心身症患者のQOL向上に繋がる、より効果的な治療法を確立し、発症因子の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の1つとして、歯科心身症患者の症状を「痛み」と「異常感」に分類し、各症状に対してどのような薬物療法が有効であるか、用量反応性に関する検討を行う計画がある。当初の予定では、患者のリクルートが早い段階で行えるものであったが、現在までの患者のリクルートが十分ではなく、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
痛みや異常感を訴える歯科心身症患者に対して、1、歯科心身症患者の症状を「痛み」、「異常感」「混合群」に分類し、それぞれの症状に対して薬物療法を行い、有効な薬物と至適用量について詳細に検討する。2、患者の症状である「痛み」、「異常感」を軸とし、それぞれのスコアを書き示し、2次元マトリックス化グラフを作成し、治療結果からどの領域範囲で、どの薬物を使用するのか、その線引きとなる範囲を検討する。3、 患者の「痛み」と「心理」、「異常感」と「心理」を軸とし、それぞれのスコアを書き示して、2次元マトリックス化グラフを作成し、「心理」のスコアが「痛み」と「異常感」に相関するかどうか、それぞれの症状と照らし合わせ、改善・増悪因子となり得るかの解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度で使用予定であった実験が次年度に持ち越しとなり、購入物品が少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度で予定されている実験にて使用を予定している。
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