• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

2次元マトリックス化による歯科心身症の診断法の確立と治療体系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K20651
研究機関日本歯科大学

研究代表者

加藤 雄一  日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (70720803)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード歯科心身医学 / 口腔異常感症 / 非定型歯痛
研究実績の概要

今年度は歯科心身症の代表的な疾患の1つである口腔異常感症と非定型歯痛について研究を行った。
口腔異常感症とは訴えに相応する器質的異常に乏しく精神疾患を伴わないにも関わらず、口腔内に違和感やしびれなどの異常感を訴える疾患である。口腔内や体表に出現する異常感に対してバルプロ酸などの抗てんかん薬が奏効する症例は国内外で報告があった。しかしドパミン・システムスタビライザー(DSS:Dopamine System Stabilizer)と呼ばれ、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用を有する抗精神病薬であるアリピプラゾールが異常感に有効であった報告は少ない。DSSの効能には統合失調症、双極性障害、うつ病、小児期自閉スペクトラム症の易刺激性など幅広い疾患に効果が認められる。この薬剤の作用には、DSSがアンタゴニストとしてドパミン阻害作用を示す一方で、アゴニストとしての内活性作用をあわせ持つ特性ーー脳内でドパミンが過剰に放出されている時には阻害薬として抑制的に働き、逆にドパミンが不足している時はドパミン作動薬として活性化する方向で作用するーーがあり、この作用が口腔内の異常感にも効果を示すのではないかという知見が得られた。
これらの知見は従来の考え方である、口腔内の異常感に対してはノルアドレナリンやGABA受容体に作用する薬剤が有効であるというものから、ドパミンに作用する薬剤も有効であるという新たな知見をもたらす可能性となる。また、その成果として論文を発表した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] アリピプラゾールとバルプロ酸の併用によって奏効した口腔異常感症の1例2017

    • 著者名/発表者名
      加藤雄一, 石井隆資, 岡田智雄, 苅部洋行
    • 雑誌名

      日本歯科心身医学会雑誌

      巻: 1 ページ: 7, 9

    • 査読あり
  • [学会発表] Inter-examiner and intra-examiner reliability of gag reflex measurement.2017

    • 著者名/発表者名
      Karibe H, Okamoto A, Kato Y, Shimazu K, Goddard G
    • 学会等名
      31st IADR-SEA & 28th SEAADE
    • 国際学会
  • [学会発表] Interaction effect of voice-specific function and BDNF Val66Met: An fMRI study2017

    • 著者名/発表者名
      Koeda M, Tomizawa D, Hama T, Kato Y, Karibe H, Tateno A, Okubo Y
    • 学会等名
      Organization for Human Brain Mapping
    • 国際学会
  • [学会発表] 歯科医師に対する信頼度と健康関連QOLとの関連性2017

    • 著者名/発表者名
      苅部洋行, 加藤雄一
    • 学会等名
      日本心身医学会
  • [学会発表] プレガバリンが奏効した非定型顔面痛の1例2017

    • 著者名/発表者名
      加藤雄一, 石井隆資, 岡田智雄, 苅部洋行
    • 学会等名
      日本歯科心身医学会
  • [図書] さあ,どうしよう? 対応に困る患者さんたち2017

    • 著者名/発表者名
      岡田智雄
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      ヒョーロン・パブリッシャーズ
    • ISBN
      4864320365
  • [図書] 歯内療法のレベルアップ&ヒント2017

    • 著者名/発表者名
      北村和夫、田中利典
    • 総ページ数
      201
    • 出版者
      デンタルダイヤモンド社
    • ISBN
      4885103886

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi