易感染性宿主は、健常者では感染が成立しない弱毒病原体に感染しやすい。特に口腔内は常に細菌に曝露する環境のため、口腔細菌由来の重篤な感染症を発症することが多い。しかし周術期、特に抗癌治療後の易感染性宿主は、口腔粘膜炎などに悩まされ、十分な口腔ケアを行うことは難しい。このような易感染性宿主の口腔・全身状態への配慮、すなわち「スペシャルニ-ズ」に応える歯科独自の口腔ケア方法が必要である。本研究では、1) 殺菌効果(短時間で作用する)、2) バイオフィルム浸透殺菌効果を有するおよび3) 軟組織への影響が僅かである次亜塩素酸電解水を選択し、周術期における口腔ケアへの応用について、その可能性を検討した。
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