研究課題/領域番号 |
15K20662
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大河原 知嘉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (80632091)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教育力 / 看護師 / アセスメントツール |
研究実績の概要 |
本申請では、臨床現場で教育的役割を担う看護師には、看護実践力のみならず、教育をする上での能力としての教育力が重要であると考え、看護師の教育力アセスメントツールを開発することを目的している。 平成29年度は調査を行う予定であったが、平成28年度からのアセスメントツールの見直しや修正に予想以上に時間がかかった。そのため平成29年度に実施する予定であった調査を平成30年度に実施する予定である。 またアセスメントツールの見直しをするために、教育力に関わる要素と教育力との関連の分析をした。教育力を形成する上で関連深いと考えられる、臨床現場で教育的役割を担う上での信念(以下、信念)、臨床現場での教育的に良い関わり(以下、関わり)、ロールモデルの存在(以下、ロールモデル)の3つの分類と看護師の教育力との関連をテキストマイニングにより明らかにした。 原文の係り受け頻度は、「話-聞く」が最も多く、唯一4つの分類すべてに存在していた。頻度2位の「一緒-考える」は4位の「相手-話」と共に教育力、信念、ロールモデルの3つに存在していた。頻度3位の「スタッフ-伝える」は4位の「声-掛ける」と共に教育力、関わり、ロールモデルの3つに存在していた。また係り受け関係の対応バブル分析により、教育力には話を聞いてもらった経験や話を聞くことを心がける信念が重要であることが分かった。また教育力と3つの分類とでは、教育的に良い関わりを受けた経験や教育における信念との関連が、ロールモデルの存在より強いことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アセスメントツールの見直しや修正に予想以上に時間がかかり、分析からし直したため、当初の予定より大幅に遅れた。そのため終了年度を1年延長し、平成29年度に実施する予定であった調査を、平成30年度に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初は、病棟に勤務する看護師に焦点を当てていたが、大規模な病院における教育プログラムや教育力の育成は、制度改正もありかなり進んでいる。しかし地域で包括的な援助を行う訪問看護ステーションなどの小規模事業所における看護師の研修の動向や教育力の育成状況なども考慮した尺度やプログラムを開発していく必要があると考えた。そのため、平成30年度は一部修正し、介護サービス情報公表制度システムのデーターベースを用い、各事業所における教育研修状況の分析をし、教育力育成につながる内容を把握や分析も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗に遅れが生じたため、終了年度を延長した。そのため平成29年度に使用予定であった費用の一部を平成30年度に繰り越した。
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