研究課題
肥満者・過体重者において真皮層の構造に変化が引き起こされることが明らかにされてきた。本研究では、看護理工学的手法を用いた肥満者・過体重者の皮膚のアセスメントにおける客観的パラメータを探求することを目的とした。平成29年度はこれまで収集したデータの解析を中心に実施した。BMI25以上で20歳から64歳までの男性を対象とした、1年間の縦断データを解析することとし、ベースライン時および1年後の体重減少率、真皮の厚み、真皮エコー輝度、皮膚酸化ストレスレベルの測定を行った。1年後も調査できた対象者は17名であった。17名はいずれも1年間で減量しており、そのうちBMI25未満となった者は10名、BMI25以上のままであった者は7名であった。減量し普通体重となった6名の20-30代の男性では、腹部の真皮厚み減少がみられたのは3名(50%)であり、真皮エコー輝度の増加はみられなかった。一方で、大腿部では真皮の厚み減少と真皮エコー輝度が5名(83.3%)でみられた。皮膚酸化ストレスレベルは減量による減少がみられなかった。以上の結果より、超音波診断装置により観察した真皮厚み、真皮エコー輝度は減量による皮膚特性の変化を反映する客観的パラメータとなりうる可能性がある。その一方で、減量後の皮膚特性の変化がみられる年齢や身体部位が限られている可能性があり、今後の肥満者およに過体重者に対するスキンケア開発には、要因探索が必要である。
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Skin Research and Technology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
doi: 10.1111/srt.12443.
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