研究課題/領域番号 |
15K20668
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
吉良 いずみ 大分大学, 医学部, 講師 (70508861)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 便秘症状 / 抗がん剤 / QOL |
研究実績の概要 |
本研究は、がん化学療法中の患者の便秘症状とQOLについて調査し、できるだけ自然に近い形で排便が行える様に、侵襲性が低く便秘症状の改善効果と安全性が確認された看護技術である温罨法技術によって、がん化学療法中の成人女性への便秘症状とQOLへの効果について検討するものである。 本年度は、①第1段階で実施した「がん化学療法中の対象者の便秘症状とQOLの実態」についての対象者へインタビュー調査の結果の学会発表および、②第2段階の「温罨法の方法と測定用具の妥当性の検討」を目的とした。 目的①については、研究協力者であるがん看護の専門家の意見も踏まえて結果をまとめ、日本がん看護学会で発表を行った。 目的②については、第1段階で得られた結果をもとに、継続的に便秘症状を測定できる尺度の使用と、客観的な排便状態測定のための数量データの測定内容について文献をもとに検討した。調査期間や生活行動への影響および、心理社会的な側面からの効果測定指標についても検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の進捗状況として、目的①は予定通り研究結果について学会発表を行い、計画通り実施でできた。目的②の「温罨法の方法と測定用具の妥当性の検討」については、当初第3段階の本研究である温罨法技術の介入によるランダム化比較試の実施に向けて、介入効果の測定項目の検討のためのプレテストを実施する予定であった。しかし、平成30年度は1年間産休・育休を取得することになったため、プレテストと本研究の期間が1年間の期間が開いてしまうことから、研究協力施設での対象者の状況や臨床の実施状況等が変更される可能性があると考えた。そのため、プレテストの実施は育児休業を終了したのちに実施することに変更し、今年度は文献での検討を主に行った。 本年度の研究費の使用については、国内の学会への参加及び発表の旅費や、研究結果の処理および保管のための物品費等、年度内の予定額は概ね研究費内で運用することができた。 以上のことから、研究はやや遅れていると判断した。尚、目的①については、論文執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は1年間産休・育休を取得する。平成31年度は第2段階で予定していた温罨法による介入効果の測定項目およびがん化学療法中の対象者にとって最も効果があると考えられる看護ケアの介入時期の検討のためのプレテストを実施するとともに、第3段階として、本研究である温罨法技術の介入によるランダム化比較試の実施を行う。第2段階のプレテストについては、第1段階で研究協力を頂いた関連施設において、引き続き研究を進める予定であり、関係者との連携のもと計画通り研究を進めることができる。また、この施設のみでデータが収集できなかった場合に備えて、その他の候補となる研究施設も選定も行っている。 次年度の研究費には、プレテスト及び本研究で使用する物品費を計上している。現在までに概ね研究費は予定通り使用できている。今後も、当初の予算通りで予算の執行を行い、研究を進める予定である。
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