平成29年度は平成28年度に引き続き、栄養管理に関する新人看護師教育研修の実態や課題、ニーズを明らかにすることを目的に、NST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)担当看護師よりインタビュー調査を実施した。インタビュー調査は、2施設の合計3名のNST看護師を対象とした。その結果、栄養管理に関する新人看護師教育の現状として、経管栄養などの看護技術の手技に関することは集合研修で実施していても、病棟での実践においての指導が重要視されていた。また、手技以外のアセスメントや食事指導のような、知識を統合した実践に関することは病棟で指導されていた。その指導は新人看護師教育担当のプリセプターが担っていても、プリセプター自身の知識が薄いことが挙げられた。さらに、NST担当看護師が新人看護師だけでなく看護師全体の栄養管理に関する教育に取り組もうとしても、NST活動においてどのように取り組むか悩んでいることがわかった。その中で、関連学会などに参加して、他施設での活動状況について情報収集する姿勢がみられた。以上より、栄養管理に関する新人看護師教育について、病棟での指導体制が大部分を占めており、指導を行う看護師を含めて教育体制を構築していく必要性が示唆された。また、病棟で栄養管理に関するリーダー的存在であるNSTリンクナースの役割も期待された。 これらをもとに、1施設のNSTと協働し、看護師の栄養管理に関する意識・実践調査を実施した。NSTへの依頼経験者やNSTファイルの活用者、勉強会参加の意欲のあるものは、栄養管理に関する自己評価が高かった。そのため、気軽にNSTへ参加できるような体制づくりなど、看護師全体のレベルアップすることで、新人看護師教育へ還元できると考えられた。
|