研究課題/領域番号 |
15K20678
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 小百合 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (70514850)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ワーク・ライフ・バランス / 看護師長 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、文献検討の結果、看護師のWLB実現に向けて、看護師長がどのような役割を担うべきかを具体的に示した指標や、看護師長を対象にした尺度はないことが明らかとなった。また、看護師のWLB実現に向けて看護師長に必要とされる資質・能力を検討するにあたり、「コンピテンシー」という概念に着目した。 看護師長の実際の行動や思考に基づき、看護師のWLB実現に向けて看護師長に求められるコンピテンシーを明らかにすることを目的に、平成27年度は、看護師長を対象にインタビュー調査を行った。対象は、組織における最少看護単位を管理する、看護師長経験年数1年以上の外来または病棟看護師長27名であった。施設の規模、WLBの取り組み状況が調査結果に影響すると考えられたため、「大規模病院(300床以上)」「中規模病院(100~299床)」「小規模病院(100床以下)」のうち、「看護師のWLBの支援に積極的に取り組む病院」と「その他の病院」のそれぞれから対象者を選定した。 インタビューでは、看護師のWLB実現に向けて看護師長が実践している役割、看護師長自身のWLB実現度や仕事に対する価値観、看護師のWLB実現に向けて看護師長に必要とされるコンピテンシーなどについて、インタビューガイドに沿って、自由に語ってもらった。現在はインタビュー内容から逐語録を作成し、意味内容の類似性に従いカテゴリー化しながら内容を分析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度、看護師長へのインタビュー調査を実施することはできたが、内容の分析がまだ途中であるため、やや遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、看護師のWLB実現に向けて看護師長に求められるコンピテンシーを明らかにし、それを評価する尺度を開発するとともに、開発した尺度で質問紙調査を実施する予定である。 尺度は、文献検討および看護師長へのインタビュー調査をもとに明らかにしたコンピテンシーの概念に基づき、質問項目を抽出する。質問紙の原案作成後は予備調査を行い、内容妥当性、表現の明確性、質問項目配列の適切性、回答のしやすさを検討し、質問項目の内容を精選する。その後、全国の病院に勤務する看護師長を対象に「看護師のWLB実現に向けた看護師長のコンピテンシー評価尺度」を用いて大規模な質問紙調査を行う。調査結果に基づき、尺度の信頼性・妥当性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
設備備品については、他の研究費で購入もしくは既存の機器や物品を使用したため、予定よりも使用額が減少した。
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次年度使用額の使用計画 |
質問紙調査の費用として印刷費や郵送費、データ処理委託費等で、多額の経費が必要になると予測される。
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