生活行動援助に関する新人看護師教育のプログラム構築―排泄援助習得過程からの検討―

2017 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K20683
• 研究機関: 神奈川県立保健福祉大学
• 研究代表者: 山口 みのり 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (00369480)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 新人看護師 / 生活行動援助 / 排泄援助 / 技術習得

研究実績の概要

本研究は、新人看護師が就職後6ヵ月間でどのように一連の排泄援助を実践し、患者の状況に合わせた援助を習得していくのかという過程を明らかにすることにより、生活行動援助の習得過程モデルを提示し、生活行動援助に関する新人看護師教育のプログラム構築を図るものである。
本研究の第1段階は、新人看護師に援助場面についてのインタビューと参加観察をすることであった。新人看護師の排泄援助の様相を実践知の獲得や困難さから描き、援助を習得するまでの経時的過程を明らかにするために調査を行った。第2段階は、行った調査結果を分析し、習得過程モデルを提示して新人看護師教育への方策を検討することである。
2017年度より第2段階に進み、2016年までに行った調査結果をまとめ、データを経時的に整理して分析した。データを変化の見られた複数の視点に分類し、各々からキーとなるテーマが見いだされたため、テーマごとに経時的過程の変化を分析した。
新人看護師の排泄援助において、技術習得にともなって変化の見られた視点は、【排泄援助で難しく感じること】【オムツに対する考え】【先輩からの指導状況】【先輩とともに仕事をしていて感じること】【自分が大切にしていること・気をつけるよう心掛けていること】【今、困っていること】であった。各々の視点に関して、成長を裏付けるような転換点となるテーマが見いだされている。
以上の経過をフィールド施設の教育担当者に結果報告し、新人看護師の習得過程の課題を共有した。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2017年度は、2016年度までの調査データを結果としてまとめ、「新人看護師の排泄援助の習得過程モデル」の基礎ができた。また、それをもとに、病院施設担当者と新人看護師教育の方策を話し合うことができた。

今後の研究の推進方策

さらに分析をすすめて「新人看護師の排泄援助の習得過程モデル」を精錬させ、新人看護師教育プログラムを検討する。

次年度使用額が生じた理由

今年度は人件費がかからなかったことや、文献・大型機器の購入を次年度計画にしたため、繰越金が生じている。