本研究は、新人看護師が就職後6ヵ月間でどのように一連の排泄援助を実践し、患者の状況に合わせた援助を習得していくのかという過程を明らかにすることにより、生活行動援助の習得過程モデルを提示し、生活行動援助に関する新人看護師教育のプログラム構築をするものである。 本研究の第1段階[2015年度~2016年度]は、新人看護師に援助場面についてのインタビューと参加観察を実施した。新人看護師の排泄援助の様相を実践知の獲得や困難さか ら描き、援助を習得するまでの経時的過程を明らかにするために調査を行った。 第2段階[2017年度~2018年度]は、調査結果を分析し、習得過程モデルを提示して新人看護師教育への方策を検討することであった。2016年まで継続して行った調査結果をまとめ、データを経時的に整理して分析した。データを変化の見られた複数の視点に分類し、各々からキーとなるテーマが見いだされたため、テーマごとに経時的過程の変化を分析した。その経過を2017年度末にフィールド施設の教育担当者に結果報告し、新人看護師の習得過程の課題を共有した。 2018年度末には、「新人看護師が、看護援助においてどのようなことを困難に感じているのか」また「新人看護師が、先輩看護師が指導の場で実践した看護技術についてどのようにとらえているのか」に着目し、排泄援助から生活行動援助に視野を広げ、入職後6カ月間の変化を分析結果としてまとめた。その結果を2019年度に2演題学会発表予定である。
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