研究課題/領域番号 |
15K20684
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
馬場 薫 関東学院大学, 看護学部, 講師 (70442077)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 専門看護師 / 看護管理者 / 役割意識 / 昇進 / 配置転換 |
研究実績の概要 |
本研究は,専門看護師(CNS)がその能力を十分に発揮するための具体的な方策や仕組み作りを検討するために,CNSがいかなる経過を辿って組織における役割機能を獲得し,キャリア発達を遂げてきたのか,その過程を明らかにする。 平成29年度は,首都圏の病院に勤務するCNSのうち,資格取得後に病院勤務を10年以上経験しているCNS 5名に半構成的面接を実施した.分析の結果,以下の成果を得ることができた.CNSは,その資格を取得することでさらに看護部および病院組織への貢献意欲を高め,役割獲得の取り組みに努めていた.その過程で,看護管理者との関係形成や他部門,特に医師からの実践に対する評価が役割獲得の後押しになっていた.看護管理者との関係形成や他部門からの肯定的な評価は,日ごろの高いパフォーマンス力や良好なコミュニケーションの積み重ねで成り立っていた. 一方,看護管理者にCNSを活用する意向や,CNSという資格やその教育背景,役割機能等に対する理解が十分でない場合,あるいはCNS自身が望まない配置となった場合には,CNSの役割獲得に向けた取り組みへの意欲の減退に繋がってしまい,組織コミットメントの変化をもたらしていた. CNSは,スタッフと共に課題解決に取り組んでおり,主体的に自己研鑽し,その知識や技術をスタッフに指導することで,組織におけるCNSとしての存在感や地位を確立していた.その取り組みは,CNSとしての使命感や役割意識によるものと,専門職として患者や家族へ質の高いケアを提供したいという想いから,それぞれの状況や場面に最善な判断や行動を行っている結果であると考えられた.また,看護師になり始めてから,CNSを取得し,その後の看護活動を続けていく過程において,常にスキルを高めることを意識しており,組織における自分の役割の捉え直しを行っていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書での平成29年度の計画では、全国的質問紙調査に向けて質問紙内容を検討することとしており、具体的な検討内容としては、先行研究およびインタビュー調査の結果を基に調査内容を検討することとしていた。平成29年度の実績では、先行研究およびインタビュー調査を基に、CNSと看護管理者との連携上の課題や、成果を挙げるためのCNS自身の取り組み等がわかり、それらの内容をもとに調査項目が明確になってきていること、また、今年度実施する調査のための倫理審査申請の目途がついているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は全国的質問紙調査の実施・分析を行う予定としており、倫理審査を通過した段階で、全国のCNSが勤務する病院の無作為抽出により、質問紙調査を実施することとしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,平成29年度は、主にインタビュー調査に対する謝礼,インタビューの反訳,および消耗品や文献購入,出張費が多かった。消耗品の購入およびインタビューの反訳については,なるべく安価に済むように工夫した結果,余剰額が発生した。 次年度の使用計画として,全国のCNSを対象とした質問紙調査を予定しており,その郵送料,および成果発表のための旅費にあてる。
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