本研究の目的は、結婚・出産・育児を経験した後も働き続けている女性看護職員を対象に、①職業キャリアを継続してきた過程とその過程で行った意思決定、②職業キャリア継続の過程で遭遇した困難やその対処方法、職業キャリア継続を支えた要因、を質的記述的に 明らかにすることである。 当該年度は結婚に加え、出産、育児という女性ならではのライフイベントを契機とした女性看護職の離職予防対策立案の示唆を得るために、民間企業で働く女性を対象とした半構造化面接調査を実施した。調査対象者は、結婚、妊娠・出産、育児を経ながらも総合職としてキャリア継続に努めている株式上場企業の女性労働者とした。面接調査では、これまで実施してきた女性看護職を対象とした調査と同様に、①結婚、妊娠・出産、育児を経験しつつ、職業キャリアを継続してきたプロセスの様相、②職業キャリア継続のためにどのような意思決定を行ってきたのか、③職業キャリア継続実現の支えになっている要因、④職業キャリア継続実現の阻害要因・困難要因とその対処法について尋ねた。 前年度まで収集した、女性看護職対象の面接調査データ、今年度収集した上記データについて現在解析を進めている。 また、国際学会にて女性看護職の職業継続要因と職務満足度、疲労蓄積度との関連について発表し、国内の学会にて女性看護職の職務満足度および疲労蓄積度に対する職業ストレスの関連について発表を行った。これら学会発表内容についてさらに修正を重ね、現在論文としてまとめている段階にある。
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