研究課題/領域番号 |
15K20688
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
三善 郁代 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (00440727)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 経管栄養 / 衛生管理 / 消毒 / 看護師 |
研究実績の概要 |
本研究は,全国の中小規模の病院を対象に,経管栄養関連器材の衛生管理の実態および細菌学的視点から経管栄養実施における感染の潜在的リスクを明らかにすることを目的とする。 第一段階として,平成27年度に全国の病院を対象に経管栄養投与容器および経管栄養投与ラインなどの衛生管理について郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。平成28年度は質問紙調査の結果について分析を行い,第二段階である経管栄養関連器材の細菌学的調査及びそれらを取り扱う看護師の行動調査を行うため,研究協力施設の選定および調整について費やした。質問紙調査の結果については,発送した質問紙7754通(3877施設)のうち,1256通(回収率16.2%)回答返送があった。1256通のうち無回答が極度に多かった5通を除外し,1251通を分析対象とした(有効回答率99.6%)。経管栄養に用いる容器やラインは,洗浄と消毒をして繰り返し使用される方法が最も多いことが明らかになった。選択される消毒薬は次亜塩素酸ナトリウムがほとんどであった。しかし,使用濃度や浸漬時間はさまざまであったことから,効果的な消毒が行われていない可能性が示唆される。また,病棟内に経管栄養を利用している患者数が多いとラインは洗浄のみの傾向となることが明らかになった。 現在,研究協力施設において細菌学的調査及びそれらを取り扱う看護師の行動調査を行っており,それらの結果を通して,現状の方法の安全性を確認していくことや,適正かつ効果的な洗浄・消毒を行えるような工夫や教育方法について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第二段階である経管栄養関連器材の細菌学的調査及びそれらを取り扱う看護師の行動調査を行うため,研究協力施設の選定および調整について時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,第二段階である経管栄養関連器材の細菌学的調査及びそれらを取り扱う看護師の行動調査を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
細菌学的調査及び看護師の行動調査における研究協力施設の選定および調整に時間を要し,調査を平成29年度にも引き続き実施することとなり,使用する必要物品の購入が平成29年度にも必要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
細菌学的調査及び看護師の行動調査を行うに当たり,調査に使用する必要物品の購入を随時行っていく。
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