研究課題/領域番号 |
15K20688
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
三善 郁代 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (00440727)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経管栄養法 / 衛生管理 / 消毒 / 看護師 |
研究実績の概要 |
本研究は全国の中小規模病院を対象に,経管栄養関連器材の衛生管理の実態及び細菌学的視点から経管栄養実施における感染の潜在リスクを明らかにすることを目的としている。 第一段階として平成27年度に全国の病院を対象に経管栄養投与容器および経管栄養投与ラインなどの衛生管理について郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施し,平成28年度に質問紙調査の結果について分析を行った。質問紙調査の結果は,経管栄養に用いる容器やラインは,洗浄と消毒をして繰り返し使用される方法が最も多いことが明らかになった。また,その際に選択される消毒薬は次亜塩素酸ナトリウムがほとんどであったが,使用濃度や浸漬時間はさまざまであったことから,効果的な消毒が実施されていない可能性が示唆された。また,病棟内に経管栄養を利用している患者が多いと投与ラインは洗浄のみの傾向となることが明らかになった。 第二段階として平成29年度に経管栄養関連器材の細菌学的調査及びそれらを取り扱う看護師の行動調査を実施。愛知県下の200床未満の一般または療養病棟を有する病院を抽出し同意を得られた6施設を対象に行った。細菌学的調査の結果として,消毒を行わない洗浄のみの使用前のラインからの菌の検出頻度が高いことから,洗浄・乾燥を確実に行うもしくは次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行うなど,衛生管理の方法を検討する必要性が示唆された。さらに,準備・片付けを行う水まわりの環境やスポンジ等の物品は場所によっては菌が多く存在するため,経管栄養剤の汚染を避けるために,準備を行う際には,事前に作業環境を清潔にする,手指が不衛生な部分に触れないよう注意することが必要と考えられた。 これらの実態を踏まえて,関連器材の取り扱う看護師の行動を解析し,現状の方法の安全性を確認していくことや適正かつ効果的な洗浄・消毒を行えるような工夫や教育方法について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第二段階である経管栄養関連器材の細菌学的調査及びそれらを取り扱う看護師の行動調査について,実施期間が延長したため。
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今後の研究の推進方策 |
細菌学的調査の結果を踏まえて,看護師の行動を分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
細菌学的調査がやや遅れ,想定していた実験を行うことが出来なかったため,今年度,詳細を解析するために必要な物品等の購入を随時行ってく。
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