最終年度の今年度も、引き続き調査のリクルートと実施を行い、データの分析を行った。 本研究の目的は、患者が退院後に、病院看護師から、介護支援専門員へ電話を用いた定期的なフォローによる、患者の退院後の困り事への効果を明らかにすることであり、仮説は、「病院看護師から電話でのフォローを受けた介護支援専門員が担当する患者は、通常のフォローを受けた介護支援専門員が担当する患者と比較して、退院後の困りごとが少ない」である。介入群には、病院看護師から介護支援専門員へ電話にて、退院1週間後、1ヶ月後、2ヶ月後に3回の電話でのフォローを行った。一方で対照群には、担当患者が退院時に、相談事があれば連絡するよう病院看護師が介護支援専門員へ伝える、通常のフォローを行い、介入終了の退院2ヶ月後に、病院看護師から介護支援専門員へ電話でのフォローを1回行った。 最終的に、13組の患者と介護支援専門員が対象となった。本研究のメインアウトカムである、患者への退院2か月後の困りごとに関する質問紙調査では、介入群の5名のうち3名(回収率60%)から、対照群の8名のうち5名(回収率62.5%)からの質問紙の返送があった。プロセス評価となる、介護支援専門員への電話による連携に関するインタビュー調査は、コロナウイルスの影響もあり、対象者との接触が困難となったため、質問紙調査へと変更した。その結果、介入群の5名のうち4名(回収率80%)から、対照群の8名のうち8名(回収率100%)からの質問紙の返送があった。 これらのデータの分析を行い、退院後の電話によるフォローの患者や介護支援専門員への影響について、まとめた。
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