研究課題/領域番号 |
15K20692
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 一樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60583789)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 終末期医療 / 在宅医療 / 緩和ケア |
研究実績の概要 |
【研究の背景】死亡場所の希望と実際の乖離、高齢多死社会での終末期の療養場所確保の問題から終末期在宅療養の推進が必要であるが、終末期在宅療養推進のための地域の特性に応じた在宅医療のモデルは明らかでない。 【研究の目的】患者登録調査(後ろ向き診療録調査)と既存統計調査・既存資料の2次利用により得られたデータを統合し、2次医療圏内のがん自宅死亡者に対する在宅緩和ケア特化型診療所の貢献度、診療患者の患者背景の特徴、立地する2次医療圏の医療社会的背景を量的に明らかにする。その結果をもとに在宅緩和ケアの専門家に対してインタビュー調査を行い、終末期在宅療養促進のための在宅医療の課題と施策を質的に明らかにする。 【平成27年度の実施内容】在宅緩和ケア特化型診療所での患者登録調査、在宅療養支援診療所に係る報告書を2次利用したデータ取得、人口動態調査を2次利用したデータ取得、緩和ケア病棟の施設概要・利用状況調査を2次利用したデータ収集を行った。 在宅緩和ケア特化型診療所は、在宅緩和ケアを専門的に提供する全国から任意に抽出した在宅療養支援診療所20施設の協力を得て、2016年1~12月に在宅診療を中断・終了した終末期がん患者の診療記録調査を行った。 また、既存資料から、機能強化型または在宅療養実績加算を算定する在宅療養支援診療所の全施設の2013年7月~2014年6月の自宅看取り数、2013年1月~2014年12月の都道府県別の自宅死亡数、2013年4月~2014年3月の緩和ケア病棟死亡数等のデータを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の通りに進行しているため
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今後の研究の推進方策 |
【平成28年度】 厚生労働省に対して人口動態調査死亡票の第三者提供依頼を行い、市区町村別のがん患者の死亡場所のデータ取得を目指す。また、市区町村や二次医療圏の医療社会的指標(病床数、医師数等)を既存資料から収集する。以上から、都道府県、二次医療圏、市区町村ごとのがん患者の自宅死亡率を算出し、医療社会的指標との関連を分析する。 【平成29年度】 在宅緩和ケア特化型診療所の医療者を対象にフォーカスグループインタビューを行う。その際に、(1)自施設の患者登録調査結果、(2)自地域の自宅死亡率、(3)都道府県、二次医療圏、市区町村ごとのがん患者の自宅死亡率とその関連要因を資料として提供し、終末期在宅療養促進のための在宅医療の課題と施策を質的に明らかにすることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に行った調査の調査票回収が遅れ、データ入力に関する費用を年度内に計上できなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
調査票のデータ入力に関する費用に使用する
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