透析療法指導看護師の実践報告から、透析患者の支援に必要とされる透析看護の実践能力を反映した看護実践を抽出した。対象とした事例は69例で、466個の看護実践が抽出され、次の10個の看護実践に関する項目に分類された:「患者の状態に合わせた透析条件の検討」「透析導入患者への支援」「維持透析の安定した継続のための支援」「高カリウム・高リン血症、心不全の継続的な予防のための支援」「長期透析患者の安定した透析継続のための支援」「透析患者の療養生活環境の整備のための調整」「患者の精神状態の把握とそれに合わせた対応」「終末期の緩和ケア」「腎代替療法を変更に関わる支援」「スタッフ教育、組織的対応力の向上のための活動への参加」。今後は、これら10項目の看護実践に関する質問項目の整理をすすめ、認定看護師(透析看護)等の透析看護に関する有資格者を対象に、プレテストを実施する予定である。 本尺度は、透析看護を実践する看護師が広く使用できる汎用性を確保した尺度とする必要がある一方、現在、複雑化・多様化する透析患者の支援上の課題である、長期透析患者への支援、腎代替療法の変更に関わる支援、高齢患者への支援について、をどのように盛り込む引き続き検討が必要である。
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