研究課題/領域番号 |
15K20697
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 亜希子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70738674)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 糖尿病療養支援 / 自己管理 / フラッシュ血糖モニタリング |
研究実績の概要 |
本研究のプロトコルは、京都大学医の倫理委員会の承認を得た。また、倫理委員会承認後、フラッシュ血糖モニタリング(FGM)システムの輸入手続き中であり、臨床研究実施に向けてほぼ順調に進行している。 平成27年度は、研究代表者がこれまでに検証してきた血糖自己測定(SMBG)を用いた糖尿病自己管理支援方法を活用し、先進的血糖測定技術であるFGMを用いた糖尿病自己管理支援方法を立案するべく、国内外の既存の知見や関連研究、加えて、本邦でSMBGやCGMを用いた療養指導の経験豊富なエキスパートの意見を収集した。欧州で進行中のFGMを用いた介入研究では、FGMを使用するだけでは、血糖コントロールの改善には至らなかったことが報告されており、患者の自己管理への活用をサポートする自己管理支援方法を構築する必要性が明らかになった。また、既存の知見や関連研究、エキスパートの意見から、FGMを用いて糖尿病の自己管理を行う患者への支援について、必要な介入を検討することができた。 本研究は、日本でまだ採用されていない最新の医療機器を用い、質の高い血糖コントロールを患者の自己管理によって目指すものであり、今後の糖尿病療養支援において大変有意義な研究である。そのため、研究の一部は国内の糖尿病専門外来を有する4施設での多施設共同研究として発展した。現在は、対象患者のスクリーニングを行っており、FGMの輸入手続き完了後、速やかに患者のエントリーを開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で使用するフラッシュ血糖モニタリングシステム(FGM)は、保険未収載の新規の医療機器である。そのため、倫理委員会の承認を得るまでに時間がかかり、FGMシステムの輸入手続き開始が予定よりも遅れた。加えて、FGMは、先に販売が開始された諸外国においても人気が高く、生産台数が不足しているため、輸入手続きにも時間がかかった。しかし、FGMの輸入手続きは現在進行中であり、まもなく本学でも患者のエントリーを開始することができる。また、本領域のエキスパートとの情報交換や、先行研究の結果から、FGMを用いた糖尿病自己管理支援方法の立案に有意義な情報が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに収集した情報をもとに立案したフラッシュ血糖モニタリング(FGM)を活用した療養支援方法の効果を検討するため、介入試験を行う。本研究は、国内4施設の糖尿病を専門とする外来で多施設共同研究としても行う。 京都大学では、現在、フラッシュ血糖モニタリングシステムの輸入手続き中であり、輸入手続きが完了し次第、患者のエントリーを開始する予定である。対象は、インスリンもしくはGLP-1受容体作動薬で治療中の血糖自己測定を行っている、外来通院中の1型糖尿病患者および2型糖尿病患者とする。2週間のFGM装着と療養支援を行い、効果を検討する。評価は、FGMシステムで記録された詳細な血糖換算値の情報、自記式質問紙による患者のQOLおよび糖尿病治療満足度、血液生化学検査結果、装着安全性の評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、保険未収載の最新医療機器を用いた介入研究である。そのため、倫理委員会の承認および輸入手続きに予定よりも時間がかかり、FGMシステムの輸入が平成27年度内に完了しなかったことから、FGMシステム購入費用が次年度使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
現在、FGMシステムの輸入手続きを開始しており、システム本体および輸入・薬監手続きに必要な費用として次年度使用額を使用予定である。
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