研究課題
2週間連続でリアルタイムにグルコース値を知ることができるフラッシュグルコースモニタリング(FGM)を用い、糖尿病患者がセルフモニタリングを行うことによる自己管理への影響と療養支援の必要性について検討することを目的として、平成28年度から開始した臨床介入研究の予定対象者数のエントリーおよび観察を終了した。質問紙調査、診療記録、実測により得られた患者情報(糖尿病自己管理行動、精神的健康状態、糖尿病治療満足度および血糖コントロール指標、血清脂質、体重・体組成)について、詳細な分析をすすめた。その結果、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)の装着により、1型糖尿病患者では血糖コントロールの改善および低血糖頻度の軽減を認め、2型糖尿病患者では精神的健康状態の一部の項目で改善を認めた。一方、自己管理行動においては、1型糖尿病患者では脂質摂取の増加、2型糖尿病患者では野菜摂取の減少を認めた。また、1型糖尿病患者、2型糖尿病患者ともに運動療法への取り組みや血圧、血清脂質には変化が認められなかった。これらの結果から、1型糖尿病および2型糖尿病患者のいずれにおいても、グルコース値に直接影響しない糖質以外の栄養素に関して食事療法が遵守できないリスクがあること、運動療法への取り組みや血圧、血清脂質など変化のなかった項目があることも考慮に入れ、FGM装着時には総合的に療養指導を行い、自己管理を行えるよう支援することが重要であると考えられた。
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