研究課題/領域番号 |
15K20701
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研究機関 | 京都看護大学 |
研究代表者 |
福田 里砂 京都看護大学, 看護学部, 講師 (40534938)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | リンパ浮腫 / 運動 |
研究実績の概要 |
本研究は、下肢リンパ浮腫患者を対象にした、リンパ浮腫および身体機能・精神的健康の改善に向けた運動プログラムの開発を行うことを目的とする。 平成28年度は、平成27年度に行った文献レビューの結果をもとに、リンパ浮腫の診療に関わる看護師、理学療法士とともに、運動プログラムの内容を検討した。文献レビューの結果、リンパ浮腫および身体機能・精神的健康の改善に効果を認めた運動の多くはレジスタンス運動で、その内容はダンベル運動、チェストプレス、水中運動であった。そこで、本研究で開発する運動プログラムも、レジスタンス運動を中心とした内容とし、先行研究で実施されていた運動と同程度の負荷をかけるため、運動によってはエクササイズチューブを用いることにした。また本研究では、継続して行える運動プログラムを目指し、自宅で実施でき、かつ20分程度で行える内容を検討した。さらに、自宅で実施してもらうため、対象者が一人で実施しても安全に行えるよう、座位や臥位で実施できる運動を中心に、運動プログラムを開発した。 現在は、運動プログラムの内容がほぼ確定し、その効果の測定ツールを検討している段階である。また研究協力者に、開発した運動プログラムを実施してもらい、対象者に説明するときに、パンフレット上にポイントとして書いておくべき内容を検討した。その結果、姿勢や実施するスピードなどを明記した方がよいとの意見が得られ、その意見を踏まえてパンフレットを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度より、開発した運動プログラムの介入を行う予定であったが、介入の効果を評価するアウトカム指標および測定ツールの決定に時間を要し、平成28年度中に倫理審査に書類を提出することができなかった。しかし、アウトカム指標はほぼ確定し、現在は測定器具のデモ機を使用し、測定方法および測定者間の誤差などの確認、アウトカム指標としての使用可能性を検討している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
介入の効果を評価する測定器具の測定方法および測定者間の誤差などの確認、アウトカム指標としての使用可能性について、リンパ浮腫の診療に関わる看護師、理学療法士とともに早急に検討し、倫理審査への申請を行い、介入を開始する。研究協力者、フィールドは確保できているため、倫理審査の承認が得られれば、すぐに介入が開始できる状況である。
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次年度使用額が生じた理由 |
開発した運動プログラムの効果を評価する測定器具の決定に時間を要し、器具の購入に至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
運動プログラムを実施するにあたり、物品費(エクササイズチューブ、メジャー)(3万円)、開発した運動プログラムの効果を評価する測定器具(下肢筋力計、角度計、カメラ)(30万円)、尺度を使用するためのライセンス料(6万円)、研究協力者への謝金(患者への交通費)(3万円)を計上した。また、平成27年度に実施した下肢リンパ浮腫の改善に対する運動療法の効果に関する文献レビューの結果について、学術誌への投稿を予定しており、英文校正料(20万円)、掲載料(30万円)を計上した。 その他、打合せのための会議費・交通費(10万円)、資料作成費(コピー用紙、トナー)(3万円)、データ管理用品(ファイル、ポータブルハードディスク)(3.5万円)を計上した。
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