本研究では,人工股関節全置換術(THA)患者と人工膝関節全置換術(TKA)患者を対象として,術前から術後3年までの実測した身体活動量,主観的な身体機能,健康関連QOL,術後の満足度を評価した.術後の身体活動量について,歩数の改善は術後1年が最大であったが,中強度の活動時間(Moderate to Vigorous Physical Activity)の改善はTHA後3年,TKA後2年が最大であった.術前からTHA後3年のMVPAの改善の予測因子として,年齢が若いこと,身体機能が高いこと,精神的健康感が高いことであったが,歩数の変化の予測因子は年齢のみであった.これらの結果は,身体活動量の観察を少なくとも3年間は追跡する必要があることを示唆している. THAおよびTKA患者とも主観的な身体機能,健康関連QOLは術後1年で大きく改善し,術後の満足度は高いことから,手術の効果として評価することができる.
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