研究課題/領域番号 |
15K20703
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
川久保 愛 佐賀大学, 医学部, 助教 (90710252)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | C型肝炎 / 抗ウイルス療法 / QOL / 身体活動量 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、C型慢性肝炎に対するインターフェロンを用いない経口剤治療を受ける患者の、治療前・治療開始後12週・治療開始後24週の健康関連QOL及び身体活動量について明らかにすることである。従来のインターフェロン治療とは異なり、新たな経口剤治療では患者のQOLや身体活動量を低下させないことを明らかにし、数多く潜在するとされるC型慢性肝炎ウィルスキャリアが適切な治療を受けることを促進するための意義あるデータとなることが考えられる。 今年度は、104名の対象者に対し、治療開始前・治療開始後12週・治療開始後24週(治療終了時)の3時点における、①健康関連QOL(SF-8 日本語版)②身体活動量(スズケン社製Kentzライフコーダ GS4使用)③身体症状、④臨床検査データ(Hb,RBC,WBC,PLT,Alb,HCV-RNA量)⑤基本属性(性別、IFN治療歴、併存疾患、年齢、就業状況、家族構成)の調査を完了した。 治療開始後12週時点までの調査結果として、治療前と治療開始後12週で身体活動量とQOLに変化はなく、また治療に伴う身体症状の出現頻度にも変化がなかったことから、IFNを用いない経口剤治療では、署名な副作用症状を呈さず、それにより患者のQOLを損ねることなく治療を継続できることが示唆された。 研究代表者の産前産後休暇および育児休業の取得のため、本研究は平成27年6月15日~平成29年3月31日まで中断することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は中断しているが、当初予定していた調査対象者への質問紙調査およびライフコーダを用いた調査は完了している。研究再開後に、当初の予定通りデータの分析を進め、研究結果の公表を目指す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
107名のデータ収集は完了しているが、対象者の多くが高齢者で活動量の少ない対象者であったことも考えられるため、年齢や元来の活動レベル等の影響も考慮する必要がある。C型肝炎治療は、次々と治療薬が開発され、治療期間の短縮化など、抗ウイルス療法を受ける患者を取り巻く状況も非常に流動的となっている。今後フィールドを拡大し対象者を増やすことも検討するが、選定にあたっては慎重に行っていく必要があると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究中断により、当初予定していた学会出席のための旅費や人件費に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究再開後、調査対象者を増やすにあたって、データ収集やデータ入力のための人件費とする予定である。
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