子宮頚部前がん病変と診断された女性の抱くスティグマの実態を明らかにすることを目的とし、高度異形成と診断され治療を終えた女性6名(平均35.6歳)を対象に半構造化面接を実施し、質的帰納的に分析した。 子宮頸部前がん病変と診断された女性のスティグマは11のカテゴリーに集約された。性交渉の経験が多いと思われることへの心配や自責の念などの“感じるスティグマ”を抱くことが明らかになり、前がん病変の診断による家族関係や社会生活への影響や受診の遅れを生じる可能性があることが推察される。一方で、前がん病変であることを受け入れ、他者へ検診の必要性や治療体験を伝えたいという“放出するスティグマ”も示された。
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