研究課題/領域番号 |
15K20712
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
西岡 裕子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10405227)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 周術期看護学 / 摂食嚥下障害 / 中咽頭がん / アセスメント |
研究実績の概要 |
手術療法に伴う中咽頭の構造的・機能的変化を観察することは難しく、炎症反応による創部浮腫の経日的変化により、中咽頭がん術後の摂食嚥下機能のアセスメントは看護師にとって困難であると考えられる。また、看護チームとして複数の看護師がケアを提供するため、当該領域の経験が浅い看護師であっても、術後の摂食嚥下機能をアセスメントできるツールが求められる。 そこで、中咽頭がん術後の摂食嚥下機能をベッドサイドで簡便にアセスメントするツールとして、術式から摂食嚥下障害の状況を特定するまでのアセスメントのプロセスを可視化するアルゴリズム原案を平成22年度に作成した。国内のがん専門病院3施設において、このアルゴリズム原案を用いて、看護師がアセスメントを実施し、信頼性を検討した。その検討結果に基づきアルゴリズムを修正したため、本研究では、アルゴリズム修正案の信頼性と臨床での汎用性を検証することを目的とした。 平成27年度は、看護師が中咽頭がん術後患者の摂食嚥下機能をアルゴリズム修正案を用いてアセスメントを実施し、アルゴリズムの修正案の信頼性を検証するとともに、アセスメントの対象となった患者に対する生活の質(QOL)の質問紙調査を実施し、患者の術式、栄養状態、アセスメントの結果等との関連性を確認するため、研究計画書を作成した。本研究計画は、平成27年11月に愛知県立大学研究倫理審査委員会より実施許可を得、現在は研究協力者の摂食・嚥下障害看護認定看護師が所属する埼玉県立がんセンターの倫理審査委員会にて審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画は、平成27年11月に愛知県立大学研究倫理審査委員会より実施許可を得、現在は埼玉県立がんセンターの倫理審査委員会にて審査中である。当該年度中の実施には至らなかったが、倫理審査委員会からの実施許可が出次第、データ収集を開始する予定であり、研究は順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
埼玉県立がんセンター倫理審査委員会からの実施許可が出た後、データ収集を開始する。臨床経験1年以上で頭頸部外科領域の臨床経験を1年以上有する看護師が中咽頭がん術後患者の摂食嚥下機能をアルゴリズム修正案を用いてアセスメントを実施し、10症例のアセスメントの実施を目標とする。アセスメントの対象となる患者のQOLの調査については、EORTC QLQ-C 30J(Version3.0)及びEORTC,QLQ-H & N 35を用いて退院時、術後3ヶ月、6ヶ月の計3回実施する予定である。 また、研究協力者の所属する愛知県がんセンター中央病院において研究計画の倫理審査を受ける予定であり、倫理審査委員会の承認を得た後、データ収集を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は研究計画書の作成と、愛知県立大学研究倫理審査委員会及び埼玉県立がんセンター倫理審査委員会にて研究計画の審査を受ける段階まで進み、実施には至らなかったため、助成金は埼玉県立がんセンターへの旅費にのみ使用した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度助成金の未使用額は、平成28年度助成金と併せて下記の使用を計画している。 埼玉県立がんセンターへの旅費、通信費、フィジカルアセスメントの物品(ディスポ手袋、酒精綿、舌圧子、綿棒、鼻息鏡)、インクトナーカートリッジ、学会参加費・旅費(第22回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会:新潟県新潟市)
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