A県の救急外来において、トリアージナースのストレッサー調査を実施した。その結果、トリアージナースのストレッサー尺度の下位項目で、「待たせている患者の訴え」の得点が有意に高かった。そのため、共同研究者である救急外来の認定看護師とともに、ストレッサー軽減のための、プログラムを作成した。プログラムはその救急外来によくある事例を基に、認知行動療法をベースとしたグループワークをメインとした内容である。3~4週間に一度、合計3回を4か月間にわたり実施した。実施後のストレッサー調査では、「待たせている患者の訴え」の得点は有意に減少した。しかしその一方で、「多忙な業務」の得点が高かった。 B県の救急外来において同様のプログラムを実施した。この際も「待たせている患者の訴え」が高得点を示し、支援プログラムを病院管理者と共に検討し、実施した。その結果、「待たせている患者の訴え」は低下を認めたが、他の複数項目で高得点を示した。 以上のことから、待っている患者への対応に注力したことから、業務の多忙さのストレッサーに影響したと推察できる。今後は、支援プログラムの洗練に加え、各因子間の関連も検討する必要があることが明らかになった。 次にC県の救急外来で同様の支援プログラムを実施し始めている。年度内では、実施前のストレッサー調査をお願いしているところで終了した。今後引き続き、多くの救急外来で支援プログラムを検討していく予定である。
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