研究課題
【研究1】診断早期の小児がん患者の主介護者である母親を対象に、抑うつの発生率を明らかにするために、2016年9月から2017年12月に、自記式質問紙調査を行った。対象者は64名で、年齢は24~47歳で平均年齢は37.3歳(±5.3)であった。こどもの年齢は0~15歳で平均年齢は5.6歳(±4.8)で、性別は男児32名(50%)、女児32名(50%)であった。がん種は、血液腫瘍26名(41%)、脳腫瘍14名(22%)、骨軟部腫瘍7名(11%)、その他の固形腫瘍17名(26%)であった。大うつ病性障害をスクリーニングするためのPatient Health Questionnaire 9(PHQ9)によって重度の症状レベルであると評価された対象者は28名(44%)であった。抑うつの関連要因に関しては、研究期間内に統計解析に耐えうるサンプルサイズの確保が困難であったため、今後も施設を拡大し目標症例数に到達するまで調査を継続していく予定である。【研究2】米国で小児がんの診断後早期から心理社会的リスクを抱える患者・家族をスクリーニングするために開発されたPsychosocial Assessment Tool 2.0(PAT2.0)の日本語版の信頼性・妥当性を検討するために、PAT2.0の開発者より日本語版の作成の承諾を得て、提示されたガイドラインに沿って日本語版の翻訳プロセスをすすめ、表面妥当性の検討を行った。原版の開発者からPAT2.0日本語版の承認を得られため、2016年9月から2017年12月信頼性・妥当性を検討するための質問紙調査を実施した。PAT2.0日本語版の内的整合性は高く、再テスト信頼性も良好であった。基準関連妥当性と構成概念妥当性が確認された。PAT2.0日本語版は、小児がん患者・家族の心理社会的問題の評価に使用できる可能性が示唆された。
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看護技術
巻: 64 ページ: 52-55
巻: 64 ページ: 56-62