本研究は、マタニティビクス実施時の妊婦の自律神経系への影響/効果について、母体心拍数の変化および自律神経系調節のデータから検証すること、また客観的なデータに加えて、主観的指標の変化からも検証し明らかにすることを目的として、2015年度より2022年度まで(一部研究中断期間を含む)の期間で実施した。 2018年度までに、研究計画の具体化ならびにデータ収集方法の確立および調査に向けての体制整備を行い、倫理審査の申請・承認後、2019年度よりマタニティビクス実施施設での予備実験、さらに本実験でのデータ収集へと進めてきた。本実験では、調査実施施設にてマタニティビクスを受講する妊婦に研究内容について説明し、研究協力の同意を得た上で、心拍数および活動量を記録するアクティブトレーサー(AC-301A/アームエレクトロニクス)を装着して運動を実施してもらい、さらに運動前後での唾液アミラーゼ値の測定、主観的指標(POMS短縮版、MCL-3)の測定を行った。2019年度までに6例のデータ収集を終えていたが、2020年度以降は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う影響により、データ収集が中断されている状況であった。最終年度である2022年度初頭の時点でも研究再開の目途が立たず、事業期間を延長したとしてもデータ収集の継続は不可能なため、調査は終了とした。当初予定していた例数のデータは収集できなかったものの、収集できた範囲で研究成果をまとめ、国際学会にて発表した。
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