研究課題/領域番号 |
15K20727
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
山田 志枝 山形大学, 医学部, 助教 (50568798)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 母乳育児 / 確立 / 質的 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで明確ではなかった母乳育児確立の概念や構成を明確にし、母親の自覚を取り入れて母乳育児確立の指標(アセスメントツール)を作成することである。その第1段階として、母親の自覚に基づく母乳育児確立の段階を、質的帰納的に明らかにする予定である。次に、その結果を踏まえて、「母親の自覚に基づく母乳育児確立のアセスメントツール」を作成し、その信頼性・妥当性の検証を行う予定である。 平成27年度は文献検討の結果、質的調査の前に、これまでわが国で経験的に語られていた「母乳育児確立」の概念を整理する必要があったことから、Rodgersの概念分析方法を用いて、その概念を明確にすることに取り組んだ。その結果、わが国の母乳育児確立を「直接授乳ができ、母乳栄養で児の体重増加が良好であること。また母親が自信をもって母乳育児を継続していること(混合栄養を含む)。」と定義できた。 平成28年度は、この成果を「わが国における母乳育児確立の概念分析」として論文にまとめ、学会に投稿した。また第1段階である、母親の自覚に基づく母乳育児確立の段階を質的帰納的に明らかにするために、「母親の自覚に基づく母乳育児確立の質的研究」として研究計画書を作成し、母親へのインタビュー調査を開始した。インタビュー調査は、現在も進行中である。同時に、次年度以降のアセスメントツールの開発に向けて、尺度の開発方法に関する情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1段階である質的調査の前から取り組んでいた、「わが国における母乳育児確立の概念分析」の結果をまとめることに時間がかかり、質的調査の開始時期が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度から開始したインタビュー調査を、目標としている対象者数に到達するまで継続する。さらに得られた結果を分析し、母親の自覚に基づく母乳育児確立の段階を質的帰納的に明らかにする予定である。また次年度のアセスメントツールの作成に向けて、母乳育児確立に関連する尺度の情報収集と分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に計画していた質的研究に取り組む前に、文献に基づく概念分析に取り組んだことから、旅費などに未使用額が生じていた分に引き続き残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は海外学会や母乳育児支援にかかわる最新の情報を得るための研修会に参加する予定であり、そこに未使用額を充てる予定である。
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