研究課題/領域番号 |
15K20729
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名西 恵子 (大塚恵子) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (40570304)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 母乳育児 / 母乳育児自己効力感 / 赤ちゃんにやさしい病院 / ラオス |
研究実績の概要 |
母乳育児は母子の健康にとって最適である。しかし、ラオスでは母乳で育てられている6か月未満児は26%に過ぎず、高い乳児死亡率の一因となっている。WHO/Unicefの推奨する授乳ケアを行う「赤ちゃんにやさしい病院」では、母親の母乳育児自己効力感を高めることで母乳率が有意に上昇することが示されている。ラオスの首都近郊では、9割の女性が「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けた病院で出産している。それにも関わらず、母乳率改善は乏しい。そこで、本研究の最終目的は、、母乳育児自己効力感を高めることで、母乳率を改善する介入を開発することである。 平成27年度は、母乳育児自己効力感を測定するためのラオス語の尺度案を作成した。文献レビューおよびキーインフォーマントインタビューを行い首都および首都近郊での母乳育児の現状を把握した。また、母乳育児自己効力感尺度の原案を用いて、産後2日から14日の女性10人にインタビューを行った。その結果、「赤ちゃんにやさしい病院」においても祖父母ら家族による人工乳の病院への持ち込みが一般的になされていること、出産後、母乳育児をほとんど試みないうちに多淫することが多いこと、母乳不足感や早期の職場復帰などが母乳育児の妨げとなっていることがわかった。英語圏や日本で使われている尺度原案は、ラオスの女性にはわかりにくい部分が多いこともわかった。 平成28年度は、平成27年度の結果を踏まえ、ラオス在住のラクテーションコンサルタントおよびWHOの母子保健専門家へもコンサルトし、ラオス語版母乳育児自己効力感尺度の改良を行った。また、研究に協力する病院の選定を行い、介入プロトコールの作成を行った。日本およびラオスにおいて介入研究の倫理審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、平成28年度中に介入研究を開始する予定であった。しかし、カウンターパートの選定、協力する病院の選定に予定よりも時間がかかり、また、ラオス語版母乳育児自己効力感尺度の大幅な改良が必要となったため、介入研究に取り掛かれなかった。最終的に、首都ビエンチャンの母子病院に研究に協力してもらえることになった。また、現地専門家にコンサルトの上、ラオス語版母乳育児自己効力感尺度の改良を行うことが出来た。介入研究実施のための調査票の作成、ラオス語への翻訳を終了した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、介入研究を実施し、母乳育児自己効力感を向上させる介入が母乳率を上げるかどうかを確認する。当初の予定では、母乳育児自己効力感尺度の予測妥当性の検証のため100人の女性を対象とした縦断研究を実施する予定であったが、遅れが生じているため、予測妥当性の検証は介入研究で集めるデータの分析により行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、昨年度中に介入研究を開始する予定であったが、予定どおり開始できなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、介入研究を実施するため、調査に当たるリーサーチアシスタントへの謝礼、研究者参加者への謝礼、データ収集をモニターするスーパーバイザーへの謝礼、スーパーバイザーとの打ち合わせ及び研究に協力する病院への研究説明のための現地への渡航、介入に当たる助産師・看護師へのトレーニングに助成金を使用する予定である。
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