研究課題/領域番号 |
15K20737
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
杉村 篤士 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20708606)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / セルフケア / 子ども / 軟膏処置 |
研究実績の概要 |
アトピー性皮膚炎の症状が慢性化・悪化傾向にある学童期においては、子ども自身が症状改善のために実施するセルフケアの必要性が示唆されている。 そこで、本研究では、アトピー性皮膚炎をもつ学童のセルフケアを明らかにするため、アトピー性皮膚炎をもつ子どもとその親にインタビューを実施した。インタビュー協力者は、小学3年~中学1年の子どもとその母親の5組の親子であった。 インタビューでは、薬を塗る、冷却材を使用する、ハンドクリームを塗る、掻かないように我慢する、症状を悪化させるものを食べない、といったセルフケアを学童期においても子どもが実践していることが明らかとなった。 このようなセルフケアの獲得のきっかけとして、「掻いている時の周りの目が気になる」や「ガサガサな皮膚が恥ずかしい」といった【アトピー性皮膚炎の症状を良くしたいという思い】、「親から言われて冷却材を使うようになった」や「症状を見て親から保護クリームを持っていくように言われた」といった【親からの助言を素直に受け入れる】、「親が忙しいと自分で薬を塗る」や「乾燥する時期は学校でもスキンケアをしている」といった【自分で行うしかない環境になった】、「友達が濡らしたタオルを使っていたのをみて自分もしてみようと思った」といった【友達がしていることを参考にする】といったことが語られた。また、学童期の子どもはセルフケアを実践する中で、保湿剤を使用するタイミングや、痒い部分を冷却する方法などを考え工夫しながら実践していることが明らかとなった。 本研究は、平成30年度においても、インタビュー協力者を増やすとともに分析を重ね、研究結果の信頼性・妥当性の確保を図っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在2病院で調査を実施しているが対象となる親子が少ない状況である。またアトピー性皮膚炎の外来は、次回受診まで期間が1,2か月空くことがあり、同意から研究実施までに時間が要している。
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今後の研究の推進方策 |
対象となる子どもの年齢の幅を広げ実施することで、研究協力者が増えてきている。今後も複数の病院の協力を得て、新しい選定基準で研究協力者を募り、研究協力者を増やしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者が不足していたため、研究協力者用の謝金や学会発表・論文投稿用の費用に残額が生じた。平成30年度も引き続き研究を実施し、謝金や学会発表等を実施するため、次年度使用額が生じている。
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