研究課題/領域番号 |
15K20742
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
上原 和代 沖縄県立看護大学, 看護学部, 准教授 (70406239)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 退院準備性 / 親 / NICU / 尺度開発 / 標準化 |
研究実績の概要 |
本研究の第1段階では日本語版退院準備性尺度親用(Japanese Readiness for Hospital Discharge Scale-Parent Form:JRHDS-PF)(Weiss,2008)の信頼性と妥当性を沖縄県のNICUに入院する乳児の親108人を参加者として確認した。JRHDS-PFの標準化を目的に、第2段階(平成28年度計画)では調査地を日本の複数地域へ拡大しデータ収集を継続した。第2段階の調査地は沖縄、関東、関西で各地域にある総合周産期医療施設、計3か所を調査協力施設とし、目標データ数を300とした。研究を多施設で協働して行うため、関東にある教育・研究機関に所属する共同研究者1名を得て、関東の協力施設の研究支援を依頼した。また、関東と関西の施設では小児看護専門看護師を施設の共同研究者とし、調整会議をもち、院内研究倫理審査等の手続きを進めた。関東では平成28年9月~29年5月、沖縄では平成28年12月~29年7月、関西では平成29年3月~9月をデータ収集期間とし現在、調査が進行中である。 第1段階調査結果は第9回国際新生児看護会議(9th Council of International Nurse Conference; COINN,2016.8,Vancouver)にてポスター発表し、退院後調査で使用した退院後の親の心配と挑戦尺度(Transition Questionnaire:TQ)(Kenner,1994)の開発者と現地で情報交換した。TQ改定(発表予定)の情報を得て、開発者の許可の下、改定TQを翻訳し、小児看護専門看護師およびNICU認定看護師、NICU退院後の母親各10名の協力を得て表面妥当性を確認するためのパイロットテストを第2段階調査開始前に行った(平成28年8月)。第1段階の結果は研究者の学位論文としてまとめ(平成28年3月提出)、結果の一部を日本看護科学会誌へ投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際会議での発表は予定通り行えたものの、改定TQのパイロットテスト、調査協力施設の研究倫理審査等の手続きに時間を要し、第2段階のデータ収集が最終年度(29年度)にずれ込んでいる。しかし、TQの開発者でありCOINNの理事であるProf.Kennerが日本新生児看護学会に国際会議への参加を強く求めていることを、本研究活動をとおして同学会の理事長へ伝えたことで、バンクーバーで開催された国際会議(2016.8)に理事長らの参加があり、その後の総会(2016.12)でCOINN加入が決まったことは、日本の新生児看護界にとって大きな成果であったと考える(日本新生児看護学会誌,22(2),2016,巻頭言)。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では、第2段階の結果をもとに国内の小児看護、NICU看護に関連した学会において、NICUからの退院準備・退院支援のテーマセッションを予定していたが、学会での企画は30年度以降となる予定である。29年度の研究推進と30年度以降の計画実現のため、追加の研究資金の確保が必要な状況であり、現在、公益信託宇流麻学術研究助成基金へ申請中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外旅費が不足し29年度から前倒し支払い請求(100000円)したため。
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次年度使用額の使用計画 |
調査票の返送代として使用予定である。
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